GRAPESでは、様々な式を視覚化できますが、初心者が特に悩むのが「関数」と「関係式」の使い分けです。
このページではその両者の見分け方と使い分けについて学びます。
関数と関係式の見分け方
GRAPESにおける「関数」は、左辺が「y」のみで定義され、右辺に「y」が含まれない式です。
例えば、以下の各式は「関数」です。
y=x \\ y=x+1\\ y=sinx+cosx\\ y=\frac{1}{\sqrt{1+x}}
以下の各式は関数ではありません。
y+1=x\\ \sqrt{x^2+y^2}=1\\ y^2=x+1
「関係式」は左辺と右辺が等号(または不等号)によって定義される式です。ここまで出てきた式はどれも等号によって定義されていますから、全て「関係式」ということになります。
関数と関係式の関係を図示すると以下のようになるでしょう。我々が普段扱う式のほとんどは「関係式」であり、条件を満たす一部の式が「関係式であり関数」となります。

関係式の視覚化
GRAPESでは、関数は「関数」パネルに、関係式は「関係式」パネルに入力する必要があります。
「関数」パネルに関係式を入力すると、エラーが表示されます。
「関係式」パネルには関数と関係式のどちらでも入力できます。また、以下のような不等式を視覚化することもできます。

関数の利点
「関係式」パネルさえ使っておけばどんな式でも視覚化できるのに、なぜ「関数」パネルが必要なのでしょうか?関数には様々な利点があります。
計算速度:
関数は、yがxに従属する式の構造になっているため、高速に計算できます。関係式の場合は、GRAPESはグリッド計算を行うことで式を視覚化します。グリッド計算には大きな計算コストがかかるため、画面の更新が遅くなります。
微積分:
GRAPESの微積分機能は、関数に対してのみ適用できます。
描画の完全性:
関係式の描画は原点や不連続点で不完全になる場合があります。詳しくは以下のサンプルを見てください。
もし、視覚化したい式が関数の場合は、「関数」パネルを使うようにしましょう。